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食中毒予防の三原則
危険!食肉による食中毒
平成23年4月に、富山県などの焼き肉店で腸管出血性大腸菌を原因とする食中毒が発生しました。多数の患者が発生し、死亡者も出ています。原因食品として、ユッケ等の生肉を使用したメニューが考えられています。
食肉による食中毒の原因となる菌は重い症状を引き起こすことがあり、死亡する事もあります。特に抵抗力が弱い子供や高齢者では重症化しやすく、大変危険です。これらの食中毒菌は熱によって死滅するため、食肉を十分に加熱すれば安全に美味しく食べることができます。しかし、生や加熱不足の状態で食肉を食べたり、生肉のドリップが他の食品に付着することなどで、毎年多くの食中毒が起こっています。
病原大腸菌
人や動物の腸にいる大腸菌のうち食中毒を引き起こすもので、腸管出血性大腸菌O157やO111、O26等があります。糞便等により汚染された食品や水により感染します。
症状
潜伏期間は6〜72時間。O157の潜伏期は4〜9日。吐き気、嘔吐、腹痛、下痢、血便。重症化し、溶血性尿毒症症候群(HUS)を発症する事があります。
溶血性尿毒症症候群(HUS)
O111やO157等の腸管出血性大腸菌が出すベロ毒素が腎臓の毛細血管内皮細胞を破壊し、そこを通過する赤血球が破壊されることで溶血(赤血球が壊れる)が起こり、同時に急性腎不全となり、尿毒症を発症します。症状は激烈で、時に透析療法まで必要なこともあります。腸管出血性大腸菌による腸炎の1〜10%がHUSを発症し、HUSの2〜5%が急性期に死亡、5〜10%が慢性腎不全に移行すると言われています。
カンピロバクター
鶏、牛、豚など腸にすみ、食肉処理されるときに肉に付着します。特に鶏肉が汚染されています。又、牛の肝臓では胆管という管を通じて肝臓内部に侵入していることがあり、 この場合は加熱で菌を死滅させる以外に菌を除く事は困難です。低温には強く、 少量の菌でも食中毒になります。毎年、食中毒の原因の1位又は2位となっています。
症状
潜伏期間は2〜7日。下痢、腹痛、発熱(38〜39℃)、頭痛、倦怠感。
食中毒予防のポイント
肉は生で食べない・食べさせない・十分加熱する
※ 牛肉や豚肉、鶏肉を生や加熱不足のまま食べることは大変危険です。十分加熱(75℃で1分以上)
して食べましょう。肉の中心部まで色が白っぽく変わることが加熱の目安です。
※ 新鮮な食肉でも菌が付着していることがあり、新鮮=安全ではありません。
二次汚染の防止
※ 肉を焼くときは、専用の箸やトングを使用し、生肉を触れた箸で食事をしないようにしましょう。
※ 生野菜や加熱済み食品を汚染しないよう、生肉に触れた手指や調理器具は十分洗浄、消毒して使い
ましょう。
家庭では、熱湯を包丁やまな板にかける熱湯消毒が便利です。
※ 冷蔵庫内では、生肉や生肉のドリップが他の食品に触れないよう容器に入れて保存しましょう。
※ 生で食べるサラダなどは、生肉を調理する前に作りましょう。